「先払い買取サイト」は「買取り」と銘打ってはいるものの、その実態は闇金そのものです。
他にも、「後払い現金化」、「ツケ払い現金化」などと呼ばれることもありますが、本質的にはほとんど一緒です。
当サイトでは、これら「先払い買取サイト」の利用は推奨していません。
もし、先払い買取サイトを利用しようか迷ってこの記事へたどり着いたという人には、明確に利用しないことをおすすめします。
この記事では、
・先払い買取サイトとはどんなものか
・どんな被害があるのか
・見極めるにはどうしたらいいか
について解説しています。
目次
先払い買取とは?
先払い買取現金化とは、表向きは「商品の買取サービス」を装いながら、実際には利用者に現金を前渡しして後から、買取代金やキャンセル料、手数料などの名目で高額な費用を徴収することで利益を得る闇金の手口です。
具体的には、利用者が手元にない商品(例:スマホやゲーム機、商品券など)の画像を業者に送り、その商品を売る契約を結んだ体裁でまず査定額の現金を受け取ります。
しかし業者側は初めから商品を本当に買い取る意思がなく、期限までに商品が送付されない(多くの場合送れない状況)と契約解除となり、利用者は先に受け取った現金の返還に加えて高額なキャンセル料を支払う義務を負わされます。
このキャンセル料は貸付の利息に相当し、その額は元金の50%~100%に上ることもあります。
行政の対応
「先払い買取」は、「ツケ払い現金化」(後払い現金化)とも呼ばれる類似の手口もあります。
これらは給与ファクタリングや後払い現金化と並ぶ新手のヤミ金融手口と見なされており、行政も「そのお金、ヤミ金融からの借金かもしれない!」として警戒を呼び掛けています。

また、全国で同様の手口を行っていた業者が逮捕されたり、賠償命令が出されたりしています。

「先払い買い取り」商法 “貸金業法違反”賠償命令 大阪地裁
商品の買い取りを装って業者が利用者に現金を先に支払い、後になって高額な違約金などを請求する「先払い買い取り」と呼ばれる商法をめぐり、大阪の利用者が実質的な「ヤミ金」であり、契約は無効だなどと訴えた裁判で、大阪地方裁判所は貸金業法に違反するとして、業者側に賠償を命じる判決を言い渡しました。
利用する人にとっての問題点
社会的な体裁を盾にしたエグい取り立て
先払い買取やツケ払い現金化を利用した人が直面しやすいのが、いわゆる「恥をかかせる系」の取り立てです。
従来のように恐怖心をあおって脅すのではなく、最近の業者は社会的な立場を揺さぶる方法を選ぶ傾向があります。
実名や顔写真を添えてX(旧Twitter)やインスタ、さらし系の掲示板で晒されたり、職場や家族に直接電話をかけて「返済しない人だ」と言いふらされたり、Googleマップで自宅住所を突きつけて脅すような行為が代表例です。
・踏み倒し犯としてSNSや掲示板で晒されれる
・職場や家族に電話をかけて嫌がらせ
・Googleマップで自宅住所を登録して脅す
彼らの狙いは、支払い能力の有無ではなく、支払いの意思をいかに引き出すかにあります。
つまり「恥をかかせられるくらいなら払ってしまおう」と思わせることが目的なのです。
なぜこのような手口が横行するのかといえば、被害者側に不利な構造があるからです。
名誉毀損や業務妨害で仮処分を申し立てれば止められる可能性はあるものの、そのためには弁護士費用や時間といった着手の負担を背負わなければなりません。
違法業者はこのハードルを熟知しており、法的な争いになる前に「うしろめたさ」を利用して追い詰めてきます。
利用者自身も「自分が後ろ暗い契約をしたのではないか」と感じてしまい、沈黙や支払いを選びやすくなります。
こうした心理的な弱点を突くことで、業者は違約金や追加の支払いを実現させているのが現状です。
闇金リストに名前が載る
先払い買取やツケ払い現金化に一度でも申し込んでしまうと、その時点でいわゆる「闇金リスト」に名前が載ってしまう危険があります。
申込フォームに入力した氏名や携帯番号、LINEアカウント、勤務先、さらには身分証の画像までもが、同じような業者の間で横流しされる仕組みが存在しているのです。
こうして流通した個人情報は“名簿屋”と呼ばれるブローカーを通じて、別の違法業者に渡っていきます。
業者にとっては「返済に困っていて借入を申し込んだ人」という時点で格好のターゲットであり、1件あたりの送客でお金が動く世界が裏側にあります。
その結果、申込者のもとには延々と勧誘や営業の連絡が届くようになります。
電話やSMSはもちろん、LINEやメールにも日々スパムのようなメッセージが届き、生活そのものが落ち着かなくなります。
しかも一度でも返信したり、電話に出てしまったりすると「この番号は確実につながる」と認定され、さらに価値が高いリストとして出回ってしまいます。
つまり、本人の意思に関わらず「お金を借りたい人」としてマーキングされ、次々と別の業者からアプローチが続くことになるのです。
こうした情報の連鎖は、利用者にとっては断ち切るのが難しいのが現実です。
番号を変える、LINEを新規にするなどの大掛かりな対応をしなければ被害は収まらず、知らぬ間に個人情報が犯罪の温床に利用されることすらあります。
先払い買取やツケ払い現金化を「一度くらいなら」と軽く考えてしまうと、実際には長期にわたって闇金融ネットワークの餌食になる危険性があるという点を理解しておく必要があります。
法外な利息
さらに大きな問題は、実質的に法外な利息を支払うことになる点です。
例えば5万円を先払いでもらった場合、5万円の返還に加えて3万円から5万円といった高額な違約金が請求されます。
つまり5万円の受取りに対して8万円〜10万円を支払うということです。
短期間で6割から10割の上乗せを課される計算で、年利に換算すれば数百パーセントから千パーセントを超える異常な水準です。
これは出資法で定められた上限金利をはるかに超えており、通常の消費者金融やカードローンでは絶対にあり得ない負担です。
表向きは「違約金」とされていますが、実態としては利息と同じであり、利用者は違法な高金利を支払わされているのと変わりません。
こうした法外な利息が生活をさらに追い詰め、多重債務に陥る温床となっています。
先払い買取と通常の買取サイトとの見分け方
先払い買取と通常の買取サイトは、一見すると似たような仕組みに見えるため、急いでお金を欲しいときには区別がつきにくいものです。
しかし、両者には明確な違いがあり、いくつかの特徴に注意することで見分けることができます。
商品の発送前に入金がある
まず通常の買取サイトは、あくまで「商品があって初めて成立する取引」です。
本来なら商品を送り、査定が完了してから代金が振り込まれるのが通常の買取サイトの手続きです。
しかし、先払い買取サイトは、申し込み段階で「先にお金を振り込みます」と誘導し、画像だけで契約を成立させます。
そのため発送前に入金があるという点が最大の特徴です。
違約金を前提とした契約内容
先払い買取を装うサイトでは、契約条項をよく読むと、通常の買取サービスではまず見かけない文言が盛り込まれていることに気づきます。
その代表的なものが「期限までに商品を送らなければ契約は自動的にキャンセルとなり、違約金を支払う」という一文です。
これは一見すると「きちんと商品を発送すれば問題がない」と受け止められがちですが、実際には業者が最初から“キャンセルありき”で契約を設計していることを意味していて、実質的に貸付と同じ仕組みを作り出しています。
実際のところ、契約書の中でこの条項が強調されることは少なく、細かい利用規約や特約事項の一部として埋め込まれているため、よほど注意深く見ていない限り気づくことができません。
しかし、買取を装った契約の本質を示すサインであり、見分けるための重要ポイントといえます。
詳細な個人情報の提出を求められる
さらに見分けるポイントとして、通常の買取ではあり得ないほど詳細な個人情報の提出が求められることが挙げられます。
勤務先、年収、在籍確認、緊急連絡先として家族や職場の上司の電話番号を入力させる場合もあります。
また、それらの情報を裏付けるため、給料明細や社員証や名刺などの個人情報を要求される場合もあります。
こうした情報は、本来の買取では不要なはずで、必要とするのは金融審査の要素があることを示しています。
まとめ
先払い買取はその運営の実態は闇金なので、出来ることなら利用しないことをおすすめします。
なにも法律的に云々とか綺麗事をいうつもりでもなく、単純にリスクが大き過ぎるという理由からです。
もし、「闇金なのは分かってる」という前提で、そのリスクも損害も承知した上で使うというなら、それは止めるすべは有りません。
しかし、少なくとも、「普通の買取サイトっぽいし大丈夫かな」くらいの認識で使われるのであれば、それはやめておいたほうがいいでしょう。
実際にサイトを見ると、どのサイトもデザインはポップでクリーンだし、一見して普通の買取サイトと見分けがつきません。
少なくとも闇金とは結びつきません。
間違って登録してしまい思わぬ被害に合わないようにご注意ください。
お金の資金繰りに使うことができるのですか?